普段コンプレッサーをかけることはあまりありませんが、先日Kurt Rosenwinkelが何かのインタビューで「POG2でアタックを削った直後にコンプをかける」と言っていたのを見て、所有するBOSSのCS-3を久しぶりに繋げてみたのですが、ノイズが多く音色の変化も好みでなかったので別のものが欲しくなりました。
結局マルチバンドコンプを使ってみたかったのでtc electronicのHyperGravity Mini Compressorを購入しました。iPadやPCに繋げてかなり沢山のパラメーターを動かせるので、自分好みの挙動にカスタマイズできるのもこれに決めた理由のひとつです。miniじゃない方との違いはノブ1個とトグルスイッチだけなので、どうせiPadでカスタマイズするなら…とminiにしました。
スレッショルド、レシオ、アタック、リリース、ニー、クロスオーバー周波数等、マルチバンドコンプの一通りのパラメーターは網羅しています。
また、ひとつのノブに同時に3つのパラメーターを割り当てることができ、エフェクターを開発している様な気分になります。
たとえばSUSTAINつまみを右に回すとスレッショルドが下がりコンプは深くかかっていくけど、LOバンドのゲインは少しずつ下がっていき、MIDバンドのゲインは思いっ切り上がっていくといった割り当て方もできます。楽しくて1時間以上いじってました。
音質の変化や劣化はほとんど気になりませんでした。TCのエフェクターはこの点はいつも素晴らしいです。
TCのエフェクターはDitto Looper、Polytune 3、FLASHBACK X4、CORONA CHORUS、HyperGravity Mini Compressorと5個目になりました。
でも一番好きなメーカーはElectro-Harmonixです。
Freeze、Hot Tubes、Attack Decayともに他に代えがききません。
カートのインタビューはこの動画です。
「自分の音の見つけ方」を語っています。
「頭の中で聞こえている音に如何に近づけるかということをいつも考えている」
他のインタビューでも語っていましたがここでもピカソの言葉を引用しています。
「自分ならではの表現を追い求める必要はなく、ただ完全な円を描いてみようとしてみなさい。完全な円を書くことは不可能であり、その不完全さ、それがあなたの個性だ」
彼の場合、ピッキング音のないとてもソフトでレガートな音を作るために、POG2でまずアタック部分を削り、その直後にとても速いアタックタイムでコンプをかけると語っています。(その部分のところ2:07でヘッド裏にギブソンのオートチューニングシステムが見えます)
そのピカソの言葉についての記事↓
The Circle is Never Perfect | Slow Muse