ANALOGizerが届いたので早速POG2と比較してみました。
結論を先に書きますと、POG2のような、ほぼ完全にクリーンな音を保ったままアタックを削ることはできません。でもちょっと歪んだローファイな音でアタックを削ることはできる独特なエフェクター、という感じです。
このエフェクターで何を調整できるか
VOLUME:全体の音量調整
GAIN :入力された音をどこまで歪ませるかの調整
SPREAD :ディレイ音の、ディレイタイムの調整
BLEND:ドライ音とディレイ音のバランスの調整
という感じです。
GAINゼロ、VOLUME フル、BLEND ゼロでほぼバイパス時と同じ音。
BLENDフルで、DRY音はゼロとなりディレイ音のみが鳴ります。
このディレイの音がデフォルトの状態で結構歪んでいて(かつ僅かに、ヒスノイズが足されたような、ビットを落としたようなノイズが混ざる)、ローパス、ハイパスが入ったかまぼこ状の音質で、つまりかなりローファイな音となっています。ローミッドが強調された音で、ちょうど先日購入したMorning Gloryのような傾向があります。Morning Gloryはハイパス・フィルターが入ってないと思いますが、ANALOGizerのエフェクト音にはばっさりハイパスが入っているようで、低音がかなり軽くなります。
そのディレイ音ですが、SPREADノブが特徴的で、これが単純にディレイタイム(3.5mS~65mS)のノブというわけではなく、右に回すほどアタックが削られる量が僅かに増加するように聴こえるのですが、実際どうなのか分かりません。ちなみに説明書には12時以前は音のバリエーションを、12時以降は音の太さを調節と書いてあります。
このSPREADノブを(左に回し切った状態でも既に若干アタックは削れていますが)13時くらいにしたところでいい具合にアタックの削れた音になっています。それでもPOG2よりはアタックがあります。
削れ具合は良いのですが、やはり音の質感がかまぼこ状かつ歪みっぽいため、POG2ほどにクリーンな状態でアタックが削れた音ではないのです。
うまく表現するのが難しいですが、ディレイ音自体はBOSSのDD-3のような、ディレイ音にアタックがない感じかつ、エレハモのMEMORY TOYのようなザラザラしたローファイ感と言ったら人によっては分かりやすいかもしれません。
この音どこかで聴いたことのある感じだなとすぐに思い出したのはThe Remedy あたりのディアンジェリコのギターを使っていた頃のカートの音です。
ジャズギター的な感想
最近のカートではなく、The Remedy の頃の彼の音を再現するのに最適なエフェクターだなという印象です。
以前Attack DecayでPOG2に似た音を出して満足できなかった(フェイズアウトしたような音がNGでした)のですが、ANALOGizerはそんなことがなく、勿論POG2とそっくりとはいきませんが、別バージョンのPOG2のような音としてありだと思いますし、格安でカートのPOG2もどきな音が出せるという意味では、Attack DecayよりもANALOGizerの方がPOG2に近い位置にあると思いました。もし私が最初にANALOGizerを購入していたらこれで満足しちゃっていたかもしれません(いや、結局POG2買ってたかな?)。
また、カートの音を真似して楽しむ以外にも、新しい音の発見という意味でも独特で面白いエフェクターだと思いました。勿論POG2でANALOGizerの音は出ません。
音質的には、やはりWET音にハイパスがかかっている点が私にとっては惜しい点で、低音が軽くなるんですよね。でもそれこそカートのThe Remedy のバンドのような編成で使う時は逆に都合が良いのかもしれません。ローが軽くなりつつもローミッドが強調された太い音なので。POG2よりもコンパクトだし。
さすがエレハモ、独特で面白いエフェクターです!