COMINS GCS-1はレスポールとES-335の中間的なボディ形状で、セミアコといってもちょっと複雑な構造です。
センターブロックの入り方は恐らく335と似た感じですがフロントピックアップの左右あたりまではソリッド気味です。fホール内を見るとそのあたりに壁があって先が見えず、ソリッドになっているようにも見えるのですが、その部分のボディをノックすると中に空間があるような音がします。
それより下は335のように普通に空洞です。また、センターブロックのテイルピースからエンドピンの間の1/3くらいの部分がこれまた空洞気味になっています。目視できませんがやはりボディをノックした時の音で割と最近気づきました。意外と生音は大きいです。
COMINS Guitar Craft Series にはセミアコタイプとフルアコタイプがあります。実物を見たことはありませんが、GCS-1がかなり良いのでフルアコのGCS-16も気になっています。
弦高をかなり下げても全然バズらず芯があります。また音程がよく、ハイフレット含むどのポジションでコードを弾いても濁りが少なく気持ちが良いです。ピックアップはKent Armstrongに別注したものが付いています。
そもそもCOMINS GUITARSはルシアーBill Comins氏がひとりで(誰も雇ってないそうです)1本1本作るハイエンドギターブランドです。それとは別のラインとして2012年に始めた韓国生産のシリーズがCraft Seriesです。
彼自身のギター演奏もとても素敵です。
Craft Seriesは最終工程以外を韓国で生産した後、彼のフィラデルフィアの工房に送られ、コミンズ氏がfret dressing(フレットの摺り合わせ)を含む最終調整の全てを行い出荷されます。
初めて触った瞬間の印象はとにかくネックのクオリティが高いと思いました。ちなみに購入時に色違い(素材違い)で弾いた他の3本とも、とても弾きやすかったです。
ちなみにウルフは3弦開放のGとG#の間の高さに(極端に減衰が短くなるほどではない程度)あるのですが、その音を鳴らす時にあまり気にしないで良い程度です。ウルフがフレットとフレットの間にある方が私は好きです。
このインタビューでCraft Seriesは2012年から今までで600本くらい生産してきたと語っています。
ウィルキンソンチューナー、木製ノブの感触も良く、コイルスプリットスイッチでのシングルコイルサウンドも意外と使い途のある繊細な音がします。
ただ、私のGCS-1は3.4kgと大きさの割に結構重いので、もう少し軽かったら、と思うところはあります。
GCS-1とGCS-1ESは素材違いですが、GCS-1ESの方が音が柔らかく、GCS-1の方が335に近い印象でした(素材の組み合わせも335と同じなので)。購入時はまだジャズギターを始めてなかったので汎用的なGCS-1に決めたのですが、ESの方でも良かったかなとも思います。いずれもギブソン335のような派手さや味の濃い感じより、もう少しだけ硬さがあり、コードの分離感のある音のキャラクターです。
先日ヴォリュームポットのガリが出てきたため交換する際にポットの仕様を質問するためコミンズ氏とメールのやりとりをしたのですが、とても親切で優しい方でした。
購入はRudy's Musicがおすすめです。ニューヨークのソーホーにあるとても居心地の良い伝説的なショップです。入りにくい雰囲気も全然なかったですし、店員さんの対応も素晴らしかったです。また日本からネット購入もできるようです。