普段COMINSのセミアコやエピフォンのSG(P-90)ではトーンフルテンか、絞っても5くらいで弾くことが多い(ボリュームは基本7くらい、Blues JuniorとLittle Jazzでステレオ)のですが、このギター(JS22 )に繋ぎ替えるとやたらブライトなためかなりトーンを絞る必要があります。かなりハイパワーかつ高音の出るピックアップということなのでしょうか。
今回このギターのトーンコントロールを絞り切る最後の微調整のところで大幅にこもり具合が変化してしまうのをなんとかできないか、コンデンサー交換によって少しでも変化がないか実験してみました。正攻法でいくならポットのカーブを変えるのがベストだとは思いますが、ポットのカーブ違いのバリエーションってそんなにないですよね?
実験用コンデンサー
Ceramic Disc Capacitor 0.022uF 100V
Ceramic Disc Capacitor 0.05uF 100V
東信工業 ポリプロピレンフィルムコンデンサ 100V0.1μF
ハムバッカー用の0.022μFと、シングル用の0.047μF、実験のために0.01μFと0.1μFのものも用意しました。0.022μFと0.047μFはメーカー違い(SCUDのマイラコンデンサーとモントルーのセラミックコンデンサー)を揃えました。とりあえず安価なものの中からネットのレビューを見て選びました。
ちゃんと比較するためにワニ口クリップを購入して、弾いてはコンデンサー交換して、を繰り返しました。
まずハムバッカーのJacksonになぜシングル用の0.047μFのコンデンサーを付け替えたのかをちゃんと覚えてないのですが(ブログを書き始める前のことで、よりハイカットしたかったのだと思います)、とにかく現状の絞り切る最後の微調整のところで大幅にこもり具合が変化してしまうのをなんとかしたいというのが今回の目的です(絞り切るとこもり過ぎる)。
容量による違いを比較
0.047μFよりも0.022μFの方が絞りきったところのこもりが少なく、こもりが少ないだけでなく中域にクセがある音になりました。ハムバッカーのセミアコを絞った音の変化に近い感じで、これがハムバッカーではノーマルな感じかもなという印象。ただ、これだとハイ成分の多いこのギターだとハイカットが物足りず、大幅に絞った時にミッドがブーミーというか、あまり好みではない音なのでやっぱり0.047μFなのかな、という印象でした。
0.047μFで絞りきったところからちょっとだけ右に回したところの微かにハイ成分も聴こえて中低域が太く聴こえる独特な音には0.022μFではならないことがわかりました。逆に0.047μFで右に回していっても0.022μFの絞りきった時の音と同じになるポイントがないのです。単純にどの周波数までハイカットするかというだけの問題じゃないようですね。
0.01μFについては更にハイカットが足りません。
0.1μFは聴感上では絞り切る最後まで自然に高音が無くなっていくのですが、0.047μFのように絞り切る直前あたりで中低域が太くピーキーになる感じが無く、逆にそのピーキーになる効果が捨てがたいと思いました。
耳の印象ではノブの位置2から0までの間だけQの値が急激に大きくなるローパスフィルターの周波数を下げていった感じに近いと思いました。0.1μFの場合最後のピーキーになる周波数がギターアンプにとって低すぎるためレゾナンスが聴こえないんじゃないか?という印象です。
メーカー違いで0.047μFを比較
予想ではメーカーごとの違いなんて私には殆ど判らないくらいだと思っていたのですが、注意深く比較してみると確かに違うのです。SCUDが結構ローミッドがブーミーで、オレンジドロップがその次に同じ傾向があり、モントルーはそれよりはローミッドがすっきりしていてミッドがクリアに聴こえました。いい意味で硬質な感じ。このJacksonのピックアップにはモントルーがちょうど良いと思いました。
実験の結果
結局、問題の解決にはなりませんでしたが、同じ0.047μFでもオレンジドロップ(フィルム)からモントルー(セラミック)の物に交換したことで、トーンを絞った時に良い意味で少しタイトでコンパクトな音で鳴るようになりました。何はともあれ(メーカーによる違いよりも)コンデンサー容量の違いによるトーンコントロールへの影響を耳で感じることができたのが今回の一番の収穫でした。
カーブ違いのポットで改善できるかそのうち実験してみたいです。